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ショッピング枠の現金化
「クレジットカードのショッピング枠を現金化」とは、キャッシング枠を使い切った人たちにショッピング枠を使わせて、カードで買った商品を現金で買い取るという商売です。
クレジットカードのキャッシング枠はショッピング枠の中に含まれているのですが、クレジットカードのキャッシングでお金を上限まで借りている人でも、ショッピング枠を使わないでいる、つまりカードを使った買い物ができます。例をあげて説明すると、「ショッピング枠が20万円、キャッシング枠が10万円」だとすると、「キャッシングで10万円すべて使ってもショッピング枠が10万円残る」ということです。クレジットカードのキャッシング枠を使い果たし、消費者金融の与信枠もいっぱいという方でも、クレジットカードのショッピング枠はまだ残っていたりします。そこでこのショッピング枠を何とかしてお金に変えようというのが、クレジットカードのショッピング枠の現金化という趣旨になります。
現金化の業者の形態は大別して3つパターンがあります。
1:ブランド品のような高額商品や金券ショップで扱われるチケットを客にカードで買うように指示し、それを元値の何割かで買い取って別の場所で売る「転売屋」。
2:自分の店で売っている物を客にカードで買わせ、すぐに購入代金の何割かを現金で支払って買い戻す「買取屋」。
3:e-コレクトなどの宅配便のカード決済での代金引換を利用したもの。価値が無いものを高額で売ってクレジットカードでの代金引換で支払わせる。カード会社からの振り込みが確認できたら購入者の口座に代金の何割かを送金する。
どれもだいたいショッピング枠の7割から9割で現金化するようです。
・ショッピング枠の現金化は違法?適法?
転売屋にしても買取屋にしても、客から物を買い取るわけですが、そのためには古物商の資格が必要なのです。しかしこういった人たちが資格を持っているかどうかはわかりません。店側に明らかな違法性は見いだせませんが、この場合客側には違法性がある可能性が高いのです。なぜかというと、クレジットカードで買った品物は支払いを終えるまではカード会社の所有物であるため、勝手に転売するのは横領罪に当たるからです。バレなければ問題ないとは思われがちですが、カード会社のほうでどういう物を買ったのかという情報を把握しているため、異常なほど換金性の高い商品ばかりを買っているとカード会社に怪しまれます。ですから、自分で換金性の高いものを買って金券ショップ・質屋などに持っていけばピンハネされずに済む…とはいえやめておいたほうがいいでしょう。
・ショッピング枠の現金化はカード会員規約に違反しています
そもそもクレジットカードの会員規約では、現金化を目的としたショッピング利用を禁止しています。ですから金券や航空チケットなどを大量に購入していると目をつけられ、クレジットカードを強制解約させられることもあります。強制解約されると分割払いなども含めたすべての請求が一括で来ますし、信用情報機関に事故情報が流れるのでどこへ行ってもカードが新規で作れなくなります。また、ショッピング枠の現金化をしていると、自己破産した時の免責(自己破産時の権利の制限などの解除、支払いの免除など)が下りないようなので、自転車操業が苦しいからといっても現金化には手を出さないほうがいいでしょう。
・業者も加盟店規約に違反しています
買取屋や代引きクレジットを用いた業者は、加盟店がクレジットカードの決済システムを流用して商売をしています。加盟店規約では換金を助けるような商売を禁止していますから、発覚するとこのような業者は加盟店から除外されます。
・おかしな還元率とほんとうは高い金利
ショッピング枠の現金化業者のの広告では「高還元率!キャッシングより低金利!」などと書かれていたりします。しかし実際のところどうなんでしょう。還元率といえば、クレジットカードのポイントなどでも使われる言葉ですが、クレジットカードでは05〜1%前後の還元率が一般的なので、「70〜90%の還元率」と聞くと「現金化ってなんとなくお得かも」と感じてしまうかもしれません。
この還元率という言葉は、どちらもカードで使ったお金に対して戻ってくるお金という意味で使われています。普通にカードを使った場合は100%の商品やサービスが手に入るので実際に使ったお金に対して100%+1%のモノが手に入るわけですが、現金化は手元に目減りした現金とポイント以外残らないので80%+1%です。つまり、還元率といっても互いに違うものを指しているのです。現金化の業者は、ポイント還元率と混同されることを期待して還元率という言葉を使っているのです。
また「キャッシングでお金を借りるより、分割払いやリボ払いで現金化のほうが利息が少ない」といった感じで紹介されていることがあります。たしかに単純にキャッシングの金利と分割・リボ払いの金利を比較すると、分割・リボ払いのほうが少ない金利手数料で済みます。しかし現金化で忘れてはならないのは、手にする現金は7〜9割に目減りしているということです。カード会社に払う利息は少なくて済むかもしれませんが、現金化業者に払う手数料を考えると確実にキャッシングの金利を上回ります。例えば、「還元率80%」で「10万円のショッピング枠」の現金化を「一括払い」でして「2ヶ月後」に引き落としが来る場合、手にする現金は8万円、支払いは10万円、差額を利息と考えると利息分は25%、年利であらわすと「150%」となります。対してキャッシングの一般的な年利は「18%」。2ヶ月だと利息はたったの3%です。
・業者は信用できない
これら現金化の換金率は70〜90%ですが、購入者側になんだかんだと文句をつけて買い取り金額などを下げられることがあります。もともと契約書を交わしているわけでもなく、客にとっては持っていてもしょうがない物なので業者の言い値で買い取ってもらうしかないのです。また、WEBで表示されている会社名や住所などは偽物であることが多いため、宅配業者の代引きクレジットを利用した形態では、カードで支払ったあとで業者から振り込みがなくて泣き寝入りをせざるを得ないということもあります。このように詐欺まがいの商法とはいえ、客側も規約違反などをしているのであまり大っぴらにできないという心理も働きますから、業者との間で問題が起きていても表面化していないものが多くを占めていると考えられます。
・なぜ現金化の業者は野放しにされているのか。
加盟店規約で換金目的のものを販売することを禁止しているのに、なぜカード会社はもっと厳しく取り締まろうとしないのでしょうか。その理由は、カード会社はフィッシング詐欺やスキミング被害・個人情報の流出などの対応や加盟店獲得業務に追われているため、現金化の業者を取り締まりまで手が回らないのです。現金化は実害がないためどうしても優先順位を下げがちです。
カード会社などの業界側も行政側も対応はまだこれからですが、すでに世の中にこういった業者があふれています。甘い言葉に惑わされないように、こういった知識は自分で取り入れてしっかりと自衛しましょう。
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